■漢方での治療方法
漢方医学での花粉症の治療は、基本的には漢方薬による薬物治療です。漢方医学の中には、鍼灸や按摩、食事療法も含まれますが、アレルギー反応を抑える方法は、薬物治療がいちばん効果があるとされています。
西洋医学の場合、病名がはっきりしてから薬が処方されるのが一般的ですが、漢方医学では、患者個人の体の全体を診て処方する薬を決めるため、同じ病名であっても人によって処方される薬は異なります。そのため、漢方薬の効能を調べたとき、一概に花粉症に効くものだとは限らないのです。
その理由のひとつには、一般的に公開されている漢方薬の解説は、難しい言葉を省き、西洋医学に当てはまる病名を並べているものが多いことが揚げられます。
漢方では、治療すべきなのは「人」であって「病気」ではないという考えかたのため、「病名」が存在しません。そのため薬剤も、その人の体にどのように効力を発揮するかということを考えて処方されるのです。ということは、正しい知識をもった漢方医や薬剤師に会わないと、漢方薬の力が発揮されないことになります。