■補助的療法
原因となるアレルゲンを回避すること、つまり予防が1番の治療になるという考え方です。
原因となるアレルゲンがはっきりしている場合、それに近寄らないこと、除去すること、回避することが最も確実で重要な方法です。
しかし実際には、生活の中で完全にアレルゲンを取り除くことは困難です。
ですから「補助的」として分類されているのです。
・室内清掃の徹底 … ハウスダストやダニとともに、花粉などのアレルゲンが室内に入ることがあります。花粉も除去できる細かいフィルターのついた掃除機、無排気型の掃除機を使って、アレルゲンが空調を舞わないように掃除します。
・素材の選択 … アレルゲンが付着するような素材は避けます。たとえば布製のソファ、じゅうたん、畳の使用は避けます。また衣類も、ナイロンやテフロンのように花粉がさらっと落ちる素材を選びます。子供の大好きなぬいぐるみも、残念ながらアレルゲンが付着しやすい素材でできてます。ぬいぐるみをおかないのがいちばんなのですが、定期的に洗うか、付着しにくい素材を選びましょう。
・防ダニ加工 … 特に布団に入ってから鼻づまりがひどくなるタイプのアレルギー性鼻炎では、ダニの抗体を持っている可能性が強くあります。ここでも、ダニの死骸を掃除機などで吸い取っておくこと、付着しやすい毛布などは避け、さらっとした素材の寝具を選ぶこと、また、防ダニ加工されているものが市販されているので、それらを選ぶとさらによいでしょう。
・室内環境 … 室温25度以上、湿度50%以上でダニが増殖します。花粉症によるのどの痛みは乾燥が原因となっているので、加湿器を使いたいところですが、ダニの繁殖を抑えるには室温を下げなければなりません。
・空気清浄器 … 室内環境は、ダニの繁殖を抑えるためには室温25度以下、湿度50%以下にしておくのが理想なのですが、実際には乾燥しすぎではのどを傷めるし、寒すぎては風邪をひきやすくもなります。ダニの死骸が空中を舞うわけではありませんが、ハウスダストや花粉も含め、空気清浄器を利用すると、過ごしやすい室内環境で空気を浄化することができます。
・吸入 … 実際に発症してしまった症状に対して、病院で少しでも楽になるようにする対処方法のひとつです。主には、ネブライザーといって、粘膜に効く薬を霧状にして鼻の粘膜やのどに直接吹きつける方法です。内服薬よりも直接的で、早く症状が抑えられます。
・鼻汁吸引 … 花粉症の鼻水は時間が経つと、鼻づまりに変わります。ついつい鼻がむずむずするため、自分でほじってしまうのですが、鼻血が出たり、粘膜を傷つけたり、悪化させてしまうこともあります。通院によってひどい鼻づまりを吸引してもらうと、症状は楽になります。