■アレルギー性鼻炎に似た病気
アレルギー性鼻炎の診察では、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3大症状の有無と、それらのひとつでも長期的に症状が続いている場合には、アレルギーを疑って診察をします。どれかひとつというのは、症状の出かたには個人差が大きく、すべての症状が誰にでも出るという病気ではないからです。
また成人のアレルギー症状では、くしゃみや目のかゆみから始まることが多いのですが、子供の場合鼻づまりで気がつくことが多いのも、アレルギー性鼻炎の特徴です。
子供の場合、風邪と違うのは、常に鼻やその周辺がかゆいため手でこすったり、口の周りをもぐもぐと頻繁に動かす動作が見られます。
通常、鼻粘膜は、蒼白く腫れると言われています。鼻粘膜の状態は、専門が器具を使ってみないとわからないので、自分では何色に腫れているかわからないですよね。
このような典型的な症状が長期にわたって出る場合、90%がアレルギー性鼻炎と診断されます。
しかし、まれに「好酸球性鼻炎」や「血管運動性鼻炎」という別の病気のことがあります。
好酸球性鼻炎とは、IgE抗体とは全く関係なく、鼻の粘膜に好酸球が大量に集まる病気です。従って、アレルギゲンがなくても、花粉症とよく似た症状が出ます。子供にはほとんどなく、中高年に多い病気です。
血管運動性鼻炎とは、鼻の粘膜に通っている血管の太さを調節する「血管運動神経」が異常を起こして起こる鼻炎のことです。これもアレルゲンがなく発症する病気で、花粉症とよく似た症状が起こります。